インプラント再埋入や
再治療が
必要になる原因とは?
インプラントは非常に高い成功率を誇る治療ですが、それでも不具合が生じることがあります。これにはさまざまな要因が絡んでおり、治療直後や時間が経過してから問題が発生することもあります。
手術直後に起こる問題
インプラント手術を受けた直後にトラブルが起こる場合、その原因は主にインプラントと顎の骨の結合が不十分であることにあります。この場合、インプラントが骨としっかり固定されないため、安定した機能が得られません。原因の多くは骨の質や量が不十分であったり、全身的な健康状態に問題があったりすることに起因します。このようなケースでは、問題を解決したうえで、インプラントを再埋入することが検討されます。ただし、インプラントの撤去に伴って骨が減少するため、再埋入を行う前に骨の増生が必要となる場合が多く、治療の難易度が上がる傾向にあります。
かぶせ物装着後にゆっくり進行する問題
インプラント治療が一旦完了した後でも、時間の経過とともにトラブルが生じることがあります。その最も代表的な例が「インプラント周囲炎」と呼ばれる感染症です。これはインプラントの周りに歯周病菌が感染し、炎症を引き起こす状態です。進行すると骨が減少し、最終的にはインプラントを支えきれなくなり、撤去が必要となることがあります。
このような問題を防ぐためには、日常的な口腔ケアの徹底と、定期的なメンテナンスが重要です。インプラントは自然歯とは異なり、免疫機能がないため、早期発見・早期治療が欠かせません。
インプラントの再治療が
必要になるケース
CASE
インプラントと骨の結合が失敗する場合
インプラントは、チタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込んで骨と結合させる治療ですが、この結合がうまくいかないと再治療が必要になります。結合不良の原因としては、顎の骨の量が不足していること、糖尿病や喫煙などの健康状態が影響していることが挙げられます。
CASE
手術中の問題
インプラントは外科的な手術を伴う治療であるため、手術中に適切な処置が行われなかった場合には、問題が生じる可能性があります。例えば、インプラントの埋入角度が適切でなかったり、神経や血管にダメージを与えたりすることがあります。このような手術のミスは、最新のCTスキャンを用いた診断技術の普及により大幅に減少しましたが、完全に排除することはできません。
CASE
インプラント周囲炎の進行
インプラントがぐらついたり、脱落する主な原因は、インプラント周囲炎です。この感染症は通常の歯周病よりも進行が早く、放置すると骨が減少し、インプラントが安定しなくなります。予防するためには、日常の口腔ケアに加えて、定期的な専門的メンテナンスが欠かせません。
CASE
チタンアレルギー
インプラントに使われるチタンは、金属の中でもアレルギー反応を起こしにくい素材です。しかし、まれにチタンに対するアレルギーが数年後に発症することがあります。この場合はインプラントの撤去が必要です。通常はインプラント治療前にアレルギー検査を行うため、リスクは極めて低いものの、注意が必要です。
インプラントのトラブルを
未然に防ぐために
インプラント治療での不具合は、初回手術よりも再治療の方が難しいとされています。特にインプラント周囲炎による撤去後の再埋入は慎重な対応が求められます。大切なのは、少しでも異常を感じたら早めに診断を受けることです。インプラント治療に豊富な経験を持つ歯科医師の診察を受け、適切な治療法を選択することが大切です。