入れ歯の種類
日本人の8割が歯周病だと言われています。自覚症状の薄い初期状態の歯周病のうちに治療を行えば、大きな問題に発展することはほとんどありません。歯周病は自覚症状が強く出始めた頃には手遅れになっていることも多いため、定期的に歯科を受診して検診やメンテナンスを行うことが重要です。
総入れ歯
全ての歯を失ってしまった場合に使う入れ歯です。顎の裏面も覆うような大きな入れ歯のことを指します。すべての歯を人工歯によって補います。
部分入れ歯
歯を失った部分にのみ使用する入れ歯です。歯が1本でも残っていれば、部分入れ歯を作ることになります。残っている健康な歯を利用して入れ歯を固定します。
入れ歯の材質
自由診療
ノンクラスプ・デンチャー
従来の入れ歯にあったような金属のバネが無く、半透明の材質なので装着しているように見えず、目立ちにくい入れ歯です。硬くないため心地よく装着していただけます。また、金属を使用していないので金属アレルギーの方でも安心して使用していただけます。こちらは自費診療(保険外診療)による入れ歯になります。
保険診療/自由診療
金属床義歯
歯茎に触れる部分が金属で作られている入れ歯です。金属にすることで入れ歯を薄くすることができるので、保険適用の入れ歯よりもしゃべりやすかったり、食べ物の温度も伝わりやすく、おいしく食事ができます。金属なので耐久性に優れており、残っている歯への影響も少ないです。こちらは自費診療(保険外診療)による入れ歯になります。
保険診療
レジン床義歯
歯茎に触れる部分がレジン(特殊プラスチック)で作られた保険適用の入れ歯です。強度を保つために厚みがあるため、食べ物の熱さや冷たさに対する熱伝導が悪く、また大きめに作らなければならないので違和感があったり、しゃべりにくいという難点があります。しかし、こちらは保険適用なので安価で作ることができ、ほとんどの症例で使用可能といったメリットがあります。
自由診療
磁性義歯(マグネット義歯)
磁石(マグネット)を組み込んで固定する入れ歯です。残っている歯根に磁性金属を埋め込み、入れ歯の裏側(歯肉に触れる側)に小型の磁石を埋め込むことで、磁力で入れ歯を固定します。
磁性義歯は、部分入れ歯だけでなく総入れ歯にも使用できます。
磁性義歯のメリット
磁性義歯の特徴は次のとおりです。
- 土台となる歯に無理な負荷がかからない
- 金属のバネを使用しないため見た目が良い
- 取り外しが容易
- 噛みやすくなる
磁性義歯のデメリット
磁性義歯のデメリットは次のとおりです。
- キーパー周囲のプラークコントロールが難しく、虫歯になりやすい
- 前歯を磁石にした場合、歯冠によるリップサポートが無くなり、義歯を外した状態では唇が萎んだ感じになりやすい
- 磁力により維持力を発揮するため、義歯が支台歯から離れると急激に維持力が低下する
- MRIの画像を乱すことがある
- 自浄性の低下
- 金属アレルギーの心配がある